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2011年8月3日
東京高等裁判所 御中
控訴人訴訟代理人 張 學鍊
控訴人(原審原告)は、本年7月20日に言い渡された標記事件の判決については不服であるので控訴する。
原判決を取り消した上、原審に差し戻すか、訴状請求の趣旨記載の判決を求める。
なお、控訴審の訴訟費用については、被控訴人の負担とするとの判決を併せて求める。
詳細は、追って理由書を提出する予定であるが、控訴理由の概要は以下のとおりである。
原判決は、控訴人の主張について、控訴人の日本国籍が剥奪されたのは1952(昭和27)年4月19日付の法務府民事局長通達によるもの(本件処分)であり、これらが条約あるいは法令に根拠がなく憲法に違反するとの主張であると整理し、事実上その点についてのみ争点を限定して判断を示している。
しかしながら、控訴人は、準備書面1及び同2いずれにおいても、被控訴人の主張の前提に立ち、仮に控訴人の国籍剥奪がサ条約により直接なされたもの(サ条約の直接的効果による国籍喪失)であってもなお控訴人が指摘する憲法各条違反の主張が妥当し、この点について被控訴人に反論すべきであると重ねて主張しているのであるから、仮定的に控訴人の国籍剥奪がサ条約の効力によるものだとしても、なお憲法違反であり無効であるとの主張をしていることが明らかである。
よって、控訴審においては、審理を尽くさせるために原審に差し戻すか、この点についても審理を尽くした上で判決しなければならない。
以上